生殖補助医療のイノベーター
リプロライフ社の会長である桑山正成博士は著名な低温生物学者であり、クライオテック法の考案者です。生殖補助医療(ART)における凍結保存に革命をもたらしました。溶液の組成、デバイスの設計、ガラス化プロトコルの画期的な進歩により、胚だけでなく、繊細な卵子の凍結保存においても平準化を実現させています。
1991年、哺乳類の胚盤胞のガラス化に成功し、生殖技術の新時代を築くと、卓越した技術をさらに進化させ、1999年にはヒト卵子のガラス化にも成功し、生殖医療の選択肢を大幅に広げることに大きく貢献しました。
桑山が、より安全な卵子凍結保存法の必要性を早くから認識したのは、加齢による不妊に直面する30代後半の女性に、より多くの機会を提供したいという思いからでした。この方法は、ライフスタイルや家族計画に柔軟性を持たせることで、女性特有のニーズに応えるものでもありました。さらに、そのアプローチは、がん治療を受けている女性、特に血液がんの女性にとって非常に貴重であることが証明されています。社会性または医原性卵子凍結によって、このような女性たちも将来の妊娠の可能性を手にすることができるようになりました。
彼のガラス化法は、当初日本で先駆的に開発されたものでしたが、現在では世界標準となり、世界中の生殖補助医療に寄与しています。
桑山の最新の業績には、次世代ガラス化法とクライオテックReady to Use製品の開発が含まれ、改良された溶液により、プロセスが最適化されています。
桑山は、たゆまぬ献身をもって技術を進化させ続け、胚培養士にもストレスのないガラス化プロセスを保証しながら、卵子と胚の生存率、その先の妊娠率を高めるための努力を続けています。
ウシの体外受精胚盤胞のガラス化法による凍結保存に成功
ウシ卵子のガラス固化に成功
最小体積冷却(MVC)技術を応用 し、ガラス化法によるヒト卵子の凍結保存 の実用化に成功
卵子凍結保存キットを開発
クライオトップ法の開発
がん患者を対象とした世界初のヒ ト卵子バンクを日本に設立
米国初のヒト卵子バンク設立に参画
米国、南米、ヨーロッパにおいて、ガラス化保存された卵子を用いた妊娠・出産に成功
クライオティップ法の開発
ヒト卵巣組織のガラス固化に成功
クライオテック法とともに、HPCを用いたガラス化溶液を開発
クライオテックReadytoUseシリーズを開発
ガラス化は細胞凍結に革命をもたらし、従来の緩慢凍結法よりも迅速でかつ簡便な方法を提供しました。しかし、細心の技術と厳格なプロトコルの遵守が要求されることに変わりはありません。桑山は、ガラス化の熟練のための条件・技術を認識し、ガラス化法であるクライオテック法の絶え間ない改良に貢献してきました。彼の目的は、胚培養士が直面する、力量差やストレスに関する懸念に対処し、誰もが安定した結果を得られる技術を提供することでした。
クライオテック法では、これまであったプロトコル上の時間的制約というストレスを軽減することを目的としています。これにより、凍結保護物質による細胞毒性の軽減、凍結保存の成績を高めるとともに、各工程における時間の自由度を広げました。
桑山のクライオテック法の研究は、溶液組成の進歩をもたらしただけでなく、デバイスの設計にも革命をもたらしました。凍結・融解のための専用プレートはシンプルさを向上させ、浸透圧の変化を緩やかにすることで細胞保護を強化しました。さらに、扱いやすさと安全性を重視した結果、ラベリングに便利で胚培養士が握りやすい、四角いハンドルが特徴的なクライオテック(凍結保存容器)が開発されました。
従来の方法においてのガラス化溶液(VS)を使用するステップでは、胚培養士のスキルにばらつきが見られることがありました。液体窒素で冷却するステップの前に、細胞周囲の平衡溶液(ES)をVSに確実に置換することは極めて重要でした。しかし、この置換の判断は曖昧で、時間的制約も厳しいという問題がありました。桑山の画期的な開発により、クライオテック法では、若手の胚培養士でもESからVSへの置換を各溶液の比重で簡単に識別できるように設計されています。
桑山は、クライオテック法において、表面張力を低下させるために、ガラス化液(VS)のローディングステップで液滴の体積を最小化する必要性を排除しました。改良された溶液と凍結保存容器により、この手段を必要とすることなく、より安全なガラス化を実現しています。
はい、RtU融解プレートを使用してオリジナルの凍結溶液で凍結した胚を融解可能です。融解手順はRtUのプロトコールに従ってください。
はい、未使用のRtU 融解プレートは冷蔵庫に戻していただいても構いません。プレートの密閉性を保つため、室温まで冷ましてから冷蔵庫に入れてください。次の融解時、このプレートを最初に使用することを推奨しています。
TSのみはバイアル全量、1回の使用量は(ES、VS、DS、WS)はそれぞれ300µLです。これらの液量は適切な操作に必要な量として、多くの比較試験と臨床実績に基づいて最適化された量です。生存性が低下する場合が多いので、減量または増量はなさらないようご注意ください。
1秒以内に素早くTSへ挿入してください。
カバーキャップを閉める際、カバーキャップの中から気泡が出てこないことを必ず確認してください。気泡が残っている場合、その圧によりカバーキャップが取れやすくなります。また、カバーキャップは円筒状になっているため、セッシで2箇所だけを完全に締めることは難しく、適切な力を加えられず破損する場合がございます。
またセッシでカバーキャップをつけた後、指を使ってきつく閉めなおすことで取れにくくすることができます。